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個人事業主として仕事をしてきたけれど、そろそろ会社を設立したいとお考えの方も多いと思います。「所得税が高すぎるから会社にしたい」というご相談をいただく事はよくあります。
個人事業から会社に切替える目安は、事業所得500万円あるいは1,000万円など言われることが多いです。ただし、税金面だけではなく、様々な角度からの検討が必要です。
ここでは、会社設立をした場合のメリットとデメリットをご紹介いたします。
【目次】
まずは、会社を設立した場合のメリットをご紹介します。
会社を設立して経営者自身に給与を支給するようになると、経営者自身の所得税の計算上、給与所得控除が適用されるため節税につながります。
欠損金(赤字)が発生した場合、その欠損金を翌年度以降の所得と相殺することができる制度があります。
個人事業主の繰越期間は3年間ですが、会社の場合は10年間欠損金を繰り越すことができます。
資本金1,000万円未満の会社を設立した場合、原則として多くの場合、設立年度とその翌年度は消費税の納税義務が免除されるルールになっています。
なお、個人事業主として2年間事業を行い、2年後に会社を設立すれば、最長で4年間の消費税の納税免除が可能です。
会社を設立した場合、商号、住所、目的、資本金、代表者、役員等が登記されますので、一般的に個人事業主よりも信用を得られます。
従って、個人事業主である間は取引先として選ばれなかった相手であっても、会社であれば取引できる場合もあります。名刺に株式会社とあるだけで、取引先の印象が変わることはあります。
また、金融機関との融資交渉において、会社の方が個人事業主よりも有利です。これは個人事業主の場合、家計と事業の区分がどうしても曖昧になりがちですが、法人の場合は、財産管理が厳しくされているので、金融機関もどれくらいの資産を持っている会社なのかを判断しやすく、融資判断がしやすくなるためです。
個人事業主の場合、相続が発生すると、個人名義の預金口座が一時的に凍結されて、支払が困難になるなど事業に支障を生じる可能性があります。
一方、会社の場合は、代表者の死亡により会社の預金口座が凍結されることはありませんので、代表者の死亡により事業に支障を生じるリスクはありません。
次に会社を設立した場合のデメリットをご紹介します。
会社を設立するときに、定款の認証手数料や登録免許税などの費用が発生します。設立費用として、最低でも20万円程度はかかります。
また、手続きを専門家に依頼すれば報酬もかかります。
株式会社の場合、毎年株主総会を開催する必要があります。このほか、取締役会を設置している場合は、定期的に取締役会も開催する必要があります。(小規模な会社の場合、取締役会を設置しないこともできます)
また、税金の申告は個人事業主よりも複雑なため、税理士に依頼する必要がありますが、個人事業主の確定申告に比べて、どうしても費用がかかってしまいます。
個人事業では、従業員が4人までであれば社会保険(厚生年金、健康保険)への加入義務はありません。一方、会社の場合は、人数にかかわらず社会保険への加入が義務付けられます。従って、社長一人の会社でも社会保険に加入しなければなりません。
社会保険料を従業員と会社で半分ずつ負担するため人件費が上がるほか、手続き等の事務負担が増えます。(労働保険は個人事業であっても加入義務があります)
会社の場合、赤字であっても最低7万円の法人住民税均等割が毎年かかります。
個人事業主と異なり、会社の場合は会社の財産と個人の財産が明確に区分されるため、代表者といえども会社のお金を自由に使うことはできません。
代表者が会社からお金を借りる場合は、金銭消費貸借契約書を作成して、記録を残すようにしましょう。
会社設立と言うと、通常は株式会社を設立することを指しますが、他にも合同会社を設立するという方法もあります。
株式会社と合同会社の違いは、所有と経営が分離しているかどうかです。
株式会社の場合、基本的には出資者(株主)と経営者が異なる人で構成され、所有と経営が分離しています。
しかし、合同会社の場合は、所有と経営が一致しており、出資者と経営者が同じであるという特徴があります。
税金の面では、株式会社でも合同会社でも同じ取扱いになるため、どちらを選択しても差は生じません。
合同会社のメリットとしては、利益分配や経営の自由度が高いことがあげられます。また、設立費用は株式会社に比べて安いです。
一方、合同会社のデメリットは、株式会社に比べて認知度が低いため、その分信用度が低くなります。取引や資金調達の面からは不利になる場合もあります。
従って、会社名を出さなくても成立するビジネスの場合は、合同会社も選択肢の一つになるでしょう。合同会社のメリットとデメリットを抑えた上で、株式会社か合同会社かの検討をするのが良いと思います。
会社を設立した場合、役員報酬をいくらに設定するかが重要となります。とくに中小企業の場合、役員報酬の金額が税金や損益に与えるインパクトは大きいと言えます。
役員報酬を決定したら、原則として1年間は増額も減額もできません。従って、役員報酬の設定は慎重に行いましょう。
また、役員報酬は、期首から3ヵ月以内に決定する必要があります。金額を検討できる時期は限られているため注意しましょう。(例えば、3月決算の会社の場合、6月までに役員報酬を決める必要があります)
なお、毎期会社の利益を予測して役員報酬を決めます。ただし、実際に1年間の利益を予測することは難しいため、赤字にしたくない場合は役員報酬を控えめに設定するなどの工夫が必要です。
会社の税金と個人の税金、会社の決算状況(黒字か赤字か)などを総合的に見極めて、役員報酬を設定する必要があります。一般的には、税理士に役員報酬のシミュレーションを依頼して、役員報酬を決定することが多いようです。
事業が軌道に乗ってくると、税金対策や対外的な信用の面から、会社設立を選ぶケースがあります。ただし、事務処理や社会保険で相応の負担が必要になります。
会社を設立した方がよいかどうかの判断は、特に税金面でケースバイケースとなります。メリットとデメリットをよく見極めて判断することが大切です。
当税理士事務所は、会社設立前後の税務サービスに強い事務所です。個人事業でいくのか、会社設立をするのか、お悩みの方はぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。
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