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相続税の税額控除

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各相続人が支払うべき相続税の金額から控除できるものがあります。これを相続税の税額控除といいます。

なお、税額控除は誰でも受けられるものではなく、その相続人が一定の条件を満たしている場合に受けることが可能です。


ここでは、相続税の税額控除についてご紹介いたします。

相続税の税額控除とは?

相続税の税額控除とは?

相続税の税額控除の画像

相続税の税額控除とは、各相続人が支払うべき相続税の金額から控除できるもののことです。

相続税計算の大きな流れは、次のとおりです。
1.財産の相続税評価を行って遺産総額を計算する。
2.上記1の遺産総額から基礎控除額を差し引く。
3.各相続人の相続税の納付額を計算する。


このうち3で適用されるのが、相続税の税額控除です。

なお、相続税の税額控除には次の6つの控除があります。下記で解説していきます。

  • 贈与税額控除
  • 配偶者の税額軽減
  • 未成年者控除
  • 障害者控除
  • 相次相続控除
  • 外国税額控除

贈与税額控除

相続開始前3年以内に、被相続人から贈与を受けた場合、その贈与を受けた財産を相続税の課税価格に加算する必要があります(生前贈与加算といいます)。

しかし、生前に贈与を受けたときに贈与税を支払っていた場合は、同じ財産につき贈与税と相続税が二重に課税されてしまいます。

二重課税を回避するために、過去3年以内に支払った贈与税については、相続税の計算上、控除できることとなっています

【適用対象となる相続人】
相続開始前3年以内に、被相続人から贈与によって財産を取得し、贈与税を支払った者

【控除できる金額】
相続人が過去3年以内に支払った贈与税の金額(上限なし)

配偶者の税額軽減

相続税の計算上、夫婦間の相続であれば相続税の負担が軽くなります。それが配偶者の税額軽減です。

簡単に言うと、配偶者が相続した遺産の額が1億6,000万円までであれば、配偶者には相続税が課税されません

また、1億6,000万円を超えても、配偶者の法定相続分までであれば、相続税が課税されません。


適用対象となる相続人】
戸籍上の配偶者(内縁関係は対象外)

【控除できる金額】
1億6,000万円または配偶者の法定相続分の財産のいずれか大きい金額分の財産を取得したことにより計算される相続税の金額

未成年者控除

相続人が未成年者の場合は、未成年者控除を受ける事ができます。

「10万円×その未成年者が満20歳になるまでの年数」が控除額の上限となり、その未成年者の相続税額から控除しきれない場合には、扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。


【適用対象となる相続人】
相続発生日時点で、20歳未満の未成年者

【控除できる金額】
10万円 × その未成年者が満20歳になるまでの年数( 1年未満切上)

障害者控除

相続人が障害者の場合は、障害者控除を受ける事ができます。

控除額の上限は障害の程度により異なり、一般障害者の場合は「10万円×
その障害者が満85歳になるまでの年数」、特別障害者の場合は「20万円×その障害者が満85歳になるまでの年数」となっています

なお、その障害者が過去の相続において障害者控除の適用をすでに受けている場合には、控除額が制限されることがあります。

また、その障害者の相続税額から控除しきれない場合には、扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。


【適用対象となる相続人】
相続発生日時点で、85歳未満の障害者

【控除できる金額】
(一般障害者)

10万円 × その障害者が満85歳になるまでの年数( 1年未満切上)

(特別障害者)
20万円 × その障害者が満85歳になるまでの年数( 1年未満切上)

相次相続控除

10年以内に連続して相続が発生した場合は、相次相続控除を受ける事ができます

相次相続控除を受けるためには、次の2つに該当する必要があります。
1.一次相続の際、一次相続人(二次相続の被相続人)が相続税を納めていること。

2.一次相続の開始と二次相続の開始の間が10年以内であること。

【適用対象となる相続人】
すべての相続人(相続を放棄した人などは含まれません)


【控除できる金額】
A × C ÷ (BA) × D ÷ C × (10 - E) ÷ 10

※C>B-Aなら、C=B-Aとします。
A=二次相続の被相続人が一次相続で支払った相続税
B=二次相続の被相続人が一次相続でもらった財産価額
C=二次相続における財産価額の合計額
D=二次相続で相次相続控除をうける相続人が取得した財産価額
E=一次相続から二次相続までの経過年数(1年未満切捨)


計算式は複雑に見えますが、分かりやすく言うと二次相続の被相続人が、一次相続のときに支払った相続税のうち、一次相続から二次の相続までの経過年数×10%部分を減額した金額となります。

外国税額控除

相続財産が外国にあった場合は、外国でも日本の相続税に相当する税金が課税される可能性があります。

その場合は、同じ財産について日本でも外国でも相続税が課税されて、二重課税となってしまうため、外国で支払った税金分を日本の相続税から控除できる仕組みになっています。これを外国税額控除といいます。


【適用対象となる相続人】

外国にある相続財産を相続した者

【外国税額控除の上限額】
以下①及び②のいずれか少ない金額
① 外国で実際に支払う日本の相続税に相当する税額
② 日本の相続税額 × 国外財産の価額 ÷ 相続財産の総額

相続税の税額控除に強い税理士をお探しなら

代表税理士の粕谷 多聞です。
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相続税の税額控除について説明いたしました。全部で6種類の控除がありますが、それぞれ適用要件が異なります。

適用できる控除はすべて適用して、相続税を節税するようにしましょう。

相続税の税額控除に強い税理士をお探しの方は、ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。

 

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